おいしい水って?

 地球上に暮らす生き物は、水と切っても切れない関係でむすばれています。 私たちの体は大人は60%、赤ちゃんなら88%が水分からできているため、水なしでは 生きていくことができません。
 毎日飲む水だから、おいしい水を飲みたいですね。
 いつも水道水を飲んでいると、山のわき水などがおいしく感じられるものです。
 水道水を冷蔵庫で夏なら10℃から15℃、他の季節なら8℃から10℃に冷やして飲んでみましょう。水の温度は水のおいしさにとって大事な条件なのです。

「おいしい水の条件」として、水に溶け込んでいる物質が問題になります。
 二酸化炭素(にさんかたんそ)は、水に溶けて、その一部が”炭酸”という弱い酸になります。雨は、空気の二酸化炭素を溶かして降ってくるので、弱い酸性をしめします。 (pH5.6以下の酸性を示す雨は、“酸性雨”とよばれています。)  雨は地中にしみこみ、井戸水やわき水となります。水に溶け込んだ二酸化炭素が多すぎると味のないサイダーを飲んでいるのと同じことになります。1g中に二酸化炭素や酸素を3〜30mgくらい含んだ水がさわやかでおいしい水になります。
 また、ミネラル(カルシウム、マグネシウム)はわずかならよいのですが、多く含まれていると苦くなったり、いやな味になります。

 川の水がよごれると、水道水の原水をよごすことになります。生活排水や工業排水等による汚染の少ない地域の川のように、川をよごさないようにするとともに、”きれいな川”を守っていくことが大切です。

わたしたちが「おいしい水」と感じるのは,次の表のような水です。

●おいしい水の要件
水 質 項 目測定値摘  要
水の温度 20℃以下 冷やすことにより,おいしく感じる
冷やしすぎると旨味がわからなくなる
残留塩素
(ざんりゅうえんそ)
0.4mg/l以下 殺菌するために水道水等に含まれ,カルキ臭を持つ
濃度が高いと水がまずく感じる
硬度(こうど) 10〜100mg/l ミネラルの中でカルシウム,マグネシウムの含有量を示す
硬度が低い水はくせがなく,高い水は硬く重い感じがする
カルシウムよりマグネシウムが多い水はにがい
蒸発残留物
(じょうはつざんりゅうぶつ)
30〜200mg/l 水を蒸発させた残り
やかんや電気ポットの内壁に残る白い物質
主にミネラル分を示す
量が多いとしぶみ・苦みが増し、適度に含まれるとこくのあるまろやかな味がする
過マンガン酸
カリウム消費量
3mg/l以下 有機物量を表し,多いと水がしぶくなる
遊離炭酸
(ゆうりたんさん)
3〜30mg/l 水に溶けている炭酸ガス
水にさわやかな味を与えるが,多いと刺激が強くなる
臭気度(しゅうきど) 3以下 いろいろな臭いが水につくと,不快感から水がまずくなる

資料:厚生省おいしい水研究会

出典:水といのちを考えよう/フレーベル館