よく言われる公害って?(代表される7種類の公害)
 わたし達の生活を良くするために、テレビや自動車、家、道路などいろいろなモノがつくられています。このようにモノをつくることを産業と言っています。
 モノをつくるときに、実はいろいろな環境問題が出てきます。その代表とされるモノは7種類あって、一般に「典型7公害」と言っています。これは、環境を守るための基本的なことがらを定めた法律の『環境基本法』の中にあります。


 産業の進歩が早い現代は、この法律も見直しが行われています。
2003年2月には、この中の土壌汚染についての法律(土壌汚染対策法)が新しく改定されます。



 大気汚染の原因は、工場などから出る煙(煤煙:ばいえん)とチリ(粉塵:ふんじん)、そして自動車の排気ガスの3つが、代表的な汚染物質です。
 日本では1960年頃から、わたし達の三重県にある四日市で、石油コンビナートから出る煙に含まれていた硫黄酸化物(いおうさんかぶつ)による大気汚染の影響によって呼吸器系疾患が多発しました。このため1968年には「大気汚染防止法」が制定されました。
 大気汚染防止対策としては、工場などの煤煙を発生させる施設の排出口で汚染されたものの排出濃度を規制したり、地域全体における汚染物質の排出量の総量を規制、そして自動車の排出ガスについての排出量許容限度の設定による規制などがあります。
 わたし達の街の大気を大切にしていくために、大気汚染防止法を定めてみんなで環境を守っていこうとしています。


 水の汚れには、大きく分けて工場などの産業に係わる排水と、暮らしの中で使用した生活排水があります。汚れた工場からの排水と家庭からの生活排水によって、河川、湖沼、海洋などの水域の水質が悪化します。
 法律(環境基本法)では、水の汚れが、工場などの産業活動や、その他の人の活動に伴って、相当範囲にわたって生じた場合で、その水の汚れによって人の健康又は生活環境に係る被害が生じたときに、これを「公害」としています。
 わたし達の暮らしに係わる大切な水を守っていくために、水質汚濁防止法等を定めて環境を守っていこうとしています。


 ダッダッダッダ!、ドカ!ドカ!ガッシャン!など大きな音にビックリしたことありますよね。特による睡眠を妨げたり、昼でも会話を妨害するなど生活環境を損なう「好ましくない音」「無いほうがよい音」を騒音といいます。
 騒音には、大きな音に対する「慣れ」や個人個人の「心理」で感じ方が異なるところに騒音の特徴があります。私はイヤだ!と思う音でも、それは時には気にならなかったりすることもあるのです。
 騒音の発生源は色々あります。工場や事業場、建設作業、そして飛行機や電車、自動車などの交通機関等からの騒音、飲食店等の深夜営業にともなう騒音、拡声器(かくせいき)を使用する宣伝放送による騒音、クーラー運転音等の家庭用機器による生活騒音等、様々な騒音が発生しています。
 その騒音で、夜に寝られなくて元気がなくなったり、ひどくなると病気なる人もいます。そうなると音も公害になってしまいます。
 騒音による公害を防ぐために環境基準が定められ、「騒音規制法」等が出来ています。
 わたし達も夜遅くにコンビニエンスストアーなどに出掛ける時は、周囲の人の「公害」にならないように気を付けましょう。



 大地が揺(ゆ)れる!と聞くと「地震だ!」と思っていまいますよね。この揺れも人の活動によって起こり続けると公害になります。
 公害として問題にされる振動とは、どんなモノがあるのでしょうか?
 工場などの活動や建設作業、そして交通機関の運行などによって、人為的(じんいてき)に地盤の振動が発生し、建物を振動させ物的被害(壊したり、変形させたり…)を与えたり、あるいは、私たちの日常生活に影響(例えば、家にいるといつも揺れて船酔いのような症状が出たり…)を与えることにより問題にされる振動をいいます。
 振動の伝わる距離は、通常、振動源から100m以内、多くの場合、10〜20m程度で、その大きさは、地震でいうと地表において、おおよそ震度1から震度3の範囲にあります。
 振動による影響を防止するために定めた「振動規制法」では、鉛直振動(上下方向の振動)について規制がされています。





 汚れるモノを探すと、部屋や家、街、川に海、水と空気などいろいろあります。
 普段は気が付かない土(土壌:どじょう)も汚れてしまいます。1960年代から1970年代にかけて、水銀やカドミウム、六価クロムなどの重金属やPCB(ピー・シー・ビー)などの化学物質による公害が発生して、人間や動物の健康を害したり、植物が枯れる等大きな社会問題になりました。
 これらの化学物質が事故などにより土壌に浸透(しんとう)したり、不法に土壌へ捨てられたりして、土壌の持つ浄化能力(じょうかのうりょく=しぜんにきれいにしようとする力)を超えてしまうと、地下水汚染を始めとした環境汚染を引き起こすことになります。
 土壌の汚染は、大気や水の汚染と同じく、時代によって盛んな産業によって変わってきます。その為に2003年2月には、この中の土壌汚染についての法律(土壌汚染対策法)が新しく改定されます。


 主としては軟弱地盤地域での過剰な地下水の採取によって、地層が収縮(しゅうしゅく)して、その結果地面が沈下する現象です。
 1990年代以前の高度成長期といわれる時代に、地下水の需要が増大した結果、大都市や工業都市を中心に地盤沈下が多発しました。
 地盤沈下の対策としては、地下水の採取を規制します。ほかに、地下水のかわりとなる水源の確保や、地盤沈下の被害の復旧事、災害が起こった地点の対策などが併せて行われています。



 悪臭って聞いたことがありますか?「臭い」は、人によって「いい匂い」、と感じたり「おいしいそうなにおい」、「イヤな臭い」と感じたり様々です。
 悪臭は、「誰からも嫌われる悪い臭いのこと」です。主として不快感などの感覚的な影響が中心です。
 生活環境に影響を及ぼすものとしては、環境基本法に基づいて典型7公害の一つに指定されて、「悪臭防止法」に基づき規制が行われます。