公害とは?

 「公害(こうがい)」とは、

工場などから出される有害な物質がたくさんの人に害をあたえることをいいます。

公害発生後の日本
現在は、2度と大きな公害がおこらないように、法律が作られました。
日本全体で基準をつくり、みんなで法律を守っていくことになりました。各都市では、さらに自分たちできびしい基準をつくっているところもあります。
この法律を守ることで、公害がおこることを防止できるのです。
また、自然環境を守ることにもつながります。

わたしたちの生活とのかかわり
  「公害」といっても、被害(ひがい)の規模(きぼ)や種類がたくさんあります。では、その公害は、有害物質(ゆうがいぶっしつ)を出した工場だけがかかわっているものなのでしょうか?そもそも、工場は何のために動いているのでしょう?
 工場を作ったのは、わたしたち人間であり、その工場から作られる製品(せいひん)があるからこそ、わたしたちは生活を便利で快適にすごすことができます。ぜんそくの原因は石油コンビナートで、そこのえんとつから排出されたけむりでぜんそくという病気が発生しました。石油コンビナートとは一体どんな工場なのでしょうか?

石油コンビナート
石油コンビナートは、石油からいろいろなものをつくる工場です。うみにめんしていることが多く、広い敷地の中に、石油化学工場(せきゆかがくこうじょう)、製鉄所(せいてつしょ)、火力発電所(かりょくはつでんしょ)、都市ガス工場(としがすこうじょう)などが集まっています。

工場から作られる石油製品は、石油を燃やしてつくられます。ガソリン、灯油、アスファルト、プラスチック、合成せんいなど、どれをとってもわたしたちの生活に大きくかかわるものばかりです。このプラスチック製品は、使いすてられることが多いため、たくさんの製品をつくることになり、原料となる石油を燃やし続けるということにつながっています。

 現在は、工場のえんとつからは有害物質をとりのぞいたものが出されており、公害につながることはなくなりました。しかし、石油を燃やしつづけていることにはかわりはないことを心にとめておくことが大切です。

出典:『21世紀日本の産業と環境問題3「エネルギー産業と環境問題」』 茅 陽一・著
  1998.4・発行 株式会社ポプラ社