産業廃棄物(さんぎょうはいきいぶつ)ゼロをめざす

 化学工業の原料の中心でもある石油は、1997年に世界で約37億6900万kl生産され、 日本には約2億6700万kl(1997年)の石油が輸入(ゆにゅう)されています。
 これだけの石油が、燃料や化学製品の原料としてつかわれていることが、地球の温暖化の原因をつくっているのです。

 化学製品の原料として消費される石油の量は、日本の石油消費量の約17.3%におよびます。
 人間がよりゆたかに、便利に暮らすために化学製品は必要ですが、作り放題、使いたい放題では環境もこわされ、エネルギーも底をついてしまいます。
 そのようなことを防ぐためには、循環型(じゅんかんがた)の生産のしくみをつくることが大切になります 。

 廃棄物(エミッション)ゼロをめざすことを「ゼロエミッション」といいます。
 たとえば、ある工場で廃棄物として捨てていた物が、ほかの製品の材料になることがあります。設計のしかたによっては、廃棄物がまったくでないかもしれません。
 限りある資源を循環させ、新しい利用方法も見つけていこうとすることがゼロエミッションの考え方です。

 循環型社会にむけてゼロエミッションのしくみをつくることが環境問題を解決する道すじといえるでしょう。
 


参考: 化学工業と環境問題/潟|プラ社(1998年)
  環境と調和する社会づくり/潟|プラ社(1998年)