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環境基礎講座2021 第2回「生物多様性」報告
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【日時】令和3年6月26日(土)14:00~16:00
【場所】サン・ワーク津 研修室
【テーマ・内容】生物多様性「『みえ生物多様性推進プラン』(第3期)~みえ生物多様性保全ネットワーク、ゾーニングの進捗」
【講師】辻 公彦 氏(三重県農林水産部みどり共生推進課)
【参加人数】19人
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「三重の風土によって私たちは生かされている。」
生物多様性推進プランのメッセージです。講師の辻氏は、生物多様性の大切さを話されました。
「私たちは、何か、大きくて大切なものに『生かされている』そして、その『絶対大切なもの』を壊してしまってはいけない。でも私たちは『豊かさ』のために自然を消費している」。
そして、その「大きくて大切なもの」が生物多様性であること、「生物多様性がなぜ大切か」と話が具体的に展開されていきました。
「私たちの暮らしは、自然の恵み、生物の多様性がなければ成り立ちません。酸素も、食べ物も、薬も、技術も‥。人間には思いつくことが出来ないいろんな可能性を生物多様性から学んでいる。そして、まだまだ可能性を秘めている。でもそのことを実感できていない人が多すぎます。種や生物が多様にいる場所を失ったら取り戻すことが出来ない。そのことを知っていますか。私たちの命が生物の多様性によって支えられていることをしっかり認識しなければいけません。」
三重県の生物多様性の現状を、4つの視点、開発による人為的圧力(失われる里山など)、自然に対する働きかけ・管理の減少(耕作放棄地の増加など)、人により持ち込まれた外来種、地球温暖化による生物多様性への影響を、具体的に数字を使って示されました。
では、三重県ではどのような政策が展開されているのでしょうか。
第3期「みえ生物多様性推進プラン」(2020年3月)の特徴は、「生物多様性保全ネットワーク」による取組展開と「ゾーニング」です。生物多様性保全ネットワークは、生態系ネットワークを支える多様な主体によるネットワークです。県民、行政、事業者、研究者等がそれぞれの取組や資源を持ち寄り、より影響力のある活動を生み出しています。また、「ゾーニング」は種と種が育まれる環境、つまり貴重な生物多様性空間を守るために行います。生物多様性の保全上重要な地域を「ホットスポットみえ」として地図化をしています。
次に、昨年の本講座の受講生である佐藤千鶴子さん、家令可奈子さんがコメンテーターとして、講義に対する質問や提案を発言しました。
「メガソーラーの設置により里山や森林が減少しています。三重県には許可基準があるのですか。あればどのような基準なのでしょうか」
「耕作放棄地はどういう点で生物多様性に影響するのでしょうか」
「道路整備の工事で道路はきれいになり、道路の脇に砂が埋められていた事により、土に穴を掘って生き物が出入りしていました。周りに田んぼや草があるので、その境目に土がもられていた感じです。その場所、その環境に応じた対応に感じ、感動しました。生態系保全と道路工事、建築工事が両立することは難しいのでしょうか。そういうことが出来る良いと提案します」
辻さんは現状を話され、特に提案のあった「生物多様性に配慮した開発」「生物多様性と開発の両立」について、それがSDGsの目標であり、私たちが次の世代へと命をつないでいくためにも必須であることを熱く語られました。
フロアから、「こんなことは考えられないか」「今は難しいけれど今後検討する必要はあるのではないか」「もっとこんなことを知りたい」といった雰囲気を感じ取ることができました。県民視点で行政職員と「環境政策」について意見を交わす重要な学びあいの場となりました。