三重県環境学習情報センター

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2024.06.13

環境基礎講座2024 第1回「地球温暖化・気候危機」報告

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【日時】令和6年6月8日(土) 13:45~16:30
【場所】三重県総合文化センター
【演題と講師】
 第1講
  「地球温暖化の課題と対策 ~脱炭素社会の実現に向けて~」
   常山 愛理 氏(三重県環境生活部環境共生局地球温暖化対策課 主任)
 第2講
  「沸騰する地球で異常気象がニューノーマルに どうなる地球 どうする人類」
   立花 義裕 氏(三重大学大学院生物資源学研究科 教授)

【参加人数】第1講 46人 第2講 50人
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第1講は、行政の立場からの温暖化対策です。地球温暖化対策課の常山さんから、地球温暖化の現状と将来予測、国際的及び国内の動向についての説明の後、三重県の取り組みについて説明がありました。三重県の2021年度の温室効果ガス排出量は、2013年度比で12.9%減となり、減少の傾向はみられますが、課題は山積しています。家庭向けには、家電販売店等との連携でポイント還元による省エネ家電の販売促進や太陽光発電設備等の共同購入などが、産業部門においては、太陽光発電設備等の設置費補助、脱炭素経営支援事業や再エネ電力利用促進事業などが紹介されました。また、気候変動への適応策として、三重県は高温に強い品種の作物を開発しています。たとえば、三重23号(結びの神)という米がそのひとつです。行政が行っている温暖化対策への取り組みを知ることは、私たち自身が、温暖化対策に参加する機会を見つけることにもつながります。

 
最新かつ科学に基づいた研究者の立場からの講演は、三重大学大学院の立花さんによる第2講「沸騰する地球で異常気象がニューノーマルに どうなる地球 どうする人類」です。立花さんは、より多くの人に関心を持ってもらい、自分事として考えてもらえるよう、自らテレビなどのマスメディアに出演して、温暖化による異常気象について訴えています。また、猛暑など気温の上昇や豪雨などの気象という現象をみるだけではなく、海水温度の上昇による様々な影響にも注目しなければならないことを説明されました。二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化への無関心な層が多く、世論を転換する必要性があります。取り返しがつかなくなる、気候変動のTipping point(転換点)は近づいているとのことです。しかし、まだ今なら間に合うとのお話は、私たちが正しい知識を持って行動しなければならないことを認識させてくれました。

  

 
講演の後は、たくさんの方からご質問やご意見をいただき、参加者の関心の高さがうかがえました。
温室効果ガスによる地球温暖化は、自分自身を含めた地球に生きるすべての人間の問題であり、私たち一人ひとりが科学的に考えて行動しなければならないことを、たくさんの人に知ってほしいと思います。

【報告:東】

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