地球温暖化(ちきゅうおんだんか)によってなにがおこるのか?

 地球温暖化によって、地球の温度は今よりも1.8℃〜5.8℃も上がると言われています。(IPCC「第3次評価報告書」)
 私たちの体が「あつい!」と感じるのは当然ですが、それだけではすまないはずです。
 じっさいに温度があがるとどんなことがおこってしまうのでしょうか?

 気象(きしょう)の変化
 温暖化してくると、地球全体にふりそそぐ雨の量はふえると考えられます。が、しかし地域によってふりかたが変わって、これまで雨の多かった地域で雨が少なくなり、土の水分が不足したりします。逆に雨が多くふりすぎて洪水になる地域も出てきます。
 自然生態系(しぜんせいたいけい)の変化
 今までは熱帯にしかなかった病気や害虫が温帯にまでいどうしてきて、作物に被害(ひがい)をあたえたり、病気をばらまくおそれがあります。
 気温が上がってゆくのに適応(てきおう)しきれない植物はかれて死んでいきます。また同じように、それまでそこで生きていた動物や虫などの生き物や私たち人間も、気温の変化に適応できなければ住む場所をいどうしなくてはなりません。
 砂漠(さばく)化
 気象の変化によって雨がふらず、干ばつが生じやすくなり、土が死んで砂漠化する要因となります。また、今ある砂漠もどんどん広がっていきます。
 土壌(どじょう)の乾燥(かんそう)
 雨の量はこれまでよりふえるとみられますが、蒸発(じょうはつ)する量もおおくなり、場所によっては水がたりなくなって干ばつになったりします。
 温度や土の中の水の量がかわると、作物(米、やさい、くだものなど)の生育もかわってしまうので、それまで作っていたものが作れなくなります。
 私たち人間をふくめて、生き物たちのたべものがなくなれば、飢餓(きが)や餓死(がし)があちこちでおこり、難民(なんみん)を大量につくってしまいます。
 海水面の上昇(じょうしょう)
 温度が高くなることによって、南極などの氷河がとけて海水の量をふやし、海水面が上昇(じょうしょう)します。この影響(えいきょう)によって、低い陸地ははどんどん海の中へつかってしまいます。
 小さな島々から成りたっている国では、国民の生きる場所がなくなるばかりか、国の存在自体があやぶまれます。また、そうした低地では地下水が塩水になってしまって生活ができません。

『みんなで考える地球環境シリーズ7−地球があつくなっていく』
(松野太郎・西岡秀三)・・・1995年12月 金の星社
『地球環境ファミリーシリーズ2地球は今…−迫りくる温暖化』
(高木善行)・・・1995年7月 栄光教育文化研究所